Day 2 Part 1/2
8/21(水) | 07:00 | 起床・朝食買い出し |
09:00 | Keynote1オンライン聴講/KubeCon, CloudNativeCon, Open Source Summit | |
10:00 | Keynote2オンライン聴講/KubeCon, CloudNativeCon, Open Source Summit | |
10:20 | Keynote3オンライン聴講/KubeCon, CloudNativeCon, Open Source Summit | |
11:40 | SNS更新、宿題提出(英語学校) | |
サミット会場へ移動(バス) | ||
12:50 | 入場、会場でランチ(弁当)/KubeCon, CloudNativeCon, Open Source Summit |
2024年8月21日、28度、雨
07:30 朝食の調達
昨晩水と酒を調達したセブンイレブンに朝食を調達に来たところ
キヨスク4個分くらいしかない狭小の店内は通勤客で混雑しているので
なるべくお邪魔にならないようにおにぎりを眺めている
1USD=100円の計算式が頭に染み付いていると
香港ドルとはいえ、料金はどれも日本の1.5倍くらいの感覚だ
そんなわけで為替レートの関係から
日本のパッケージが最も安い価格層で陳列されており
香港のサラリーマンたちも
迷わず日本のものを手にとって選んでくださっているのがよくわかる
特に、おにぎりは朝からサラリーマンたちに加速度的に売れていく
たぶん、世界で最も愛されているファーストフードのひとつだ
やりたいことに対して時間が足りない僕たちには
最高の贅沢な食事だ
08:00 サミットのオンライン参加準備
そろそろサミット会場へ移動を開始する時間だが
昨日は日付を回ってのチェックインだったし
ホテルのチェックアウトは12:00になっていたので
大都会の公共交通機関の通勤ラッシュ時間帯を避け
午前中は在宅勤務よろしく09:00からオンライン参加で
サミットは午後から参加することにした
11:40 宿題完了。外出準備
結局、オンライン参加の方法が途中からわからなくなって
いまから基調講演に行っても間に合わないし
せっかくなので明日までの英語学校の宿題を作成して提出する時間に充てることにした
先生にはあらかじめ香港に行く件をお伝えしていたので
速攻で返ってきた先生からの香港に興味津々な英語のコメントも現場で受け取れて心強い
昨晩から頭が完全に英語脳に切り替わっているから
日本にいるときより半分くらいの時間で宿題ができた
さあ、サミット会場へ移動開始だ
11:50 サミット会場への移動開始
サミット会場となるKerry Hotelは
香港の中心地Central(中環)〜Causeway Bay(銅鑼湾)のVictoria Harbour海峡寄りにある
15年前に泊まったFortress Hill(炮台山)の対岸だ
そこには徒歩10分圏内に地下鉄の駅がないので
その辺に次々と走っている2階建てのバスを利用することにした
Googleマップでルートをリアルタイムに弾き出して
何号線かを確認し、最適なバス停へ向かって歩くだけだ
東京と同じ使い方ができる
ただし、バスの番号によってはコミュニティーっぽいバスもあるが
基本的には地下鉄同様、当局の運営だ
周囲の様子は廃墟なのに
システム化の導入はユーザー目線が優先されており
地下鉄もバスもVISAカードのタッチで乗れる
もちろん旧来の現金チャージ式オクトパスカードのタッチもOK
料金は前払い制なので、バスに前から乗ると
キャッチャーが阿修羅のように構えているのかと思うほど
さまざまな方式のタッチする機械で眼前が覆われる
それらで目を回した先には現金回収箱もちゃんと用意されているから感心する
僕も最初に乗ろうとした号線のバスが2階建てではなくマイクロバス車両だったので怪しいと思い
「このバスはVISAタッチに対応してますか?」
って片足乗りかけながら運転手に聞いたら
乗客の皆様のほうが先に僕が外国人だと気づいてくれて
「ダメ! このバスは対応してない!」
って現地の言語ではなくちゃんと英語で返してくれたもんで
「多謝多謝」
ってお礼を告げてバスを遅らせないようにすぐ退散
再びGoogleマップをチェックすると
ひとつ先の角のバス停に良さげな号線があるので、早足で移動
その号線はラッキーなことに会場のホテルの地下が終点だった
九龍の繁華街から繁華街を次々と隈なく駆け巡る
車窓から見る風景は……
花は咲いていないが、美華工業中心と名乗る廃墟ビルはある
エアコンの室外機が傾いて一斉に落ちてきそうな
この高層廃墟ビルに囲まれるのも
だんだん見慣れてきた
今朝のコミュニケーションを振り返る……
会話はぶっきらぼうでもなんでも
行き交う人々はとても活気に満ち溢れていて
こちらから声をかければすぐ会話が始まり
一生懸命に言いたいことを英語で伝えてくれるので国際感覚に溢れている
みんなとても温かく、体温が高い感じがする
それは雑かもしれないが
感度がいいから気分がいい
なんだか進化しているのか退化しているのか
わかりにくい不思議な世界
でも
壁が剥がれ落ちたタワマンの間をバスはすり抜けながら僕は思った
爆弾が飛んできたわけでもないのに
「どうやったら都市は自然に廃墟になるのだろう」
九龍は
人間が堕落していった先の
遥か先にある僕たちの未来を
いま、見せてくれる都市のような気がする
12:50 サミット会場に到着、ランチ
会場に到着するとそこは
まさに香港島の中心地が海峡越しに独り占めできるロケーションのホテルだった
受付でジェンダーを示すシールを選ぶとき
he/himの他に「No Pronouns. Just my name.」というやつがあったので
このタイプはまず日本では見ないし、表現のお手本になったので
早速ThinkPadの天板に貼り付けた
中に入るとめっちゃいい匂いが充満
ラッキーなことにみんなランチしていたので
僕も失礼して混じり、空腹を満たす
なんと豪華なサーモンステーキの弁当だ
めちゃくちゃ薄味で、素材の特徴や調理の工夫が引き立つ
もしかしたらソースをかけるのが前提なのかもしれないが
僕にはこれで必要十分
やっぱり香港の素朴さを大切にする味覚は大好きだ
もちろんベジタリアンには別の弁当が用意されている
最先端のサーバーレス技術とオープンソースの国際技術者イベントだというのに
見回しても、うろうろしても
日本人は誰もいない
というか、僕ひとりだけだ
……こいつは都合がいい
英語の先生はいないが
最高の英会話のレッスン場所にもなる
13:30 ランチ後のラウンジ
写真には検閲があるかもしれない
当局に捕まらないようにと
会社からも念を押されていたので念の為
会場にいた僕よりちょっと若そうなスタッフのお姉さまに
「ここから見える対岸の、素晴らしい香港の港町の風景を写真に収めても大丈夫ですか」
と訪ねたところ
AIが描くアニメのようにビックリされた表情をされ
それを見た瞬間
とても懐かしい香港を感じたので
実は、15年前に僕はこの対岸に来たんだという話を始めた
「夕方になるともっといい秘密のロケーションがあるのよ」
とお気に入りのフォトスポットも教えていただき
「いってみるね」
って感じの会話が二人の間を雲のようにゆったりと流れていった
それから20分くらい経過しただろうか
一通り写真を取り終えた後
会場を一旦去ろうと階段を降りかけたとき
僕のもとへわざわざ駆け寄ってきてくださり
少し息が上がりながらも確かな太さの声で
「あなたに出逢えて良かった」
と僕にメッセージを授けてくださった
あまりの突然のできごとに、
「僕も、同じことを思っていました。あなたに出逢えて良かったです」
と同じ言葉を返すことしかできなかった
英語の先生がその場にいたら、真っ先にダメ出しされそうだ
そのいただいたメッセージは僕にはあまりにももったいなく
それだけで僕は、失われた15年の落とし物が
すべて見つかったような気がしたのだった