2日目。南極を臨む、最果ての港町に漂着。
Drifted down Port Campbell. The gate of Antarctica.

Victoria, Australia

4 days in local

12/20/2025 – 12/25/2025

2日目

南極を臨む、最果ての港町に漂着。
Drifted down Port Campbell. The gate of Antarctica.

Finding my first Xmas carol in the south.
Port Campbell, CBD, Victoria, Australia

Day 2 | Port Campbell Day 1
Victoria, Australia
Itinerary

8:30 Int’l Terminal, MEL(Melbourne Int’nl Airport) Arrival, Immigration
9:00 Driving, Route:M80-M1-A1-C163-C164 Rent-a-car, Start driving to Port Campbell, 240km drive from MEL.(Destination)
13:30 Sow & Piglets Guest House, Port Campbell Check in Guest house(2 nights)
16:00 Town in Port Campbell Strolling
18:00 Lounge, Sow & Piglets Guest House Drinking Crafted Beers, Eating Crafted Pizza, Enjoy the conversation at the lounge with guests.

日付が変わる直前。いまちょうど、グアムを超えたあたり
香港よりは南下して、そろそろ赤道を超えようとする
隣のオーストラリア人とすっかり楽しい食事と雑談を終えた後
機内は消灯、就寝の時間となった
メルボルンまでは約10時間半
サンフランシスコよりは1時間半くらい遅いが
向こうは気流の影響があり、たぶん実際はほぼ同じくらいの距離とみた
ずっと海の上だが、台風大量生産地域となるこのあたりでも大きく揺れることはない
赤道を超えて後半の区間はオセアニア大陸の上空なのでかなり安定するだろう

まさかの人生の午後になっても一人旅
ついにガダルカナル島を超えて遥か地球の反対側、南極の手前へ
生きている間に訪れるなんて思ってもみなかった
「高校生みたいっすね」って同僚からツッコまれたことがあるが
実は年齢もそうなのだが体のこともある
もうこれが最後になるんだろうなと毎回思いつつ

皆が寝静まるのを待って
膝の上に乗せていたThinkPadを開き
2000年の頃のホームページを眺めていた
当時のこのホームページのキャッチコピーは「あそびにいこうよ。」だった

2000年末の僕のホームページ。2.71は、2ドットない(二度とはないが、1ドットはある)みたいなコピーだったかな・・・

ちょうどその年の暮れには
昨年受賞した「水の記憶」初版をリリース
そのまま、ミレニアム・クリスマスをお祝いしよう!というノリで
ネットで知り合った作曲家と、火・水・土・風の4つの物語で祝うオンライン作曲プロジェクトを開催した

世界のミレニアム・クリスマスを火・水・土・風の要素ごとにお祝い。最後は空の章でモンタージュ

僕は火の章「消えかけたキャンドルの物語」をリリース
それと並行して各々が、水の章「水の戯れ」、土の章「大地と森の詩」、風の章「祈りの風」をリリース
本当はそれだけではなく、皆の裏方で一番大事なPA役をこなす作曲家も集まってくれて
僕は、使い古した関数電卓を貸すことくらいしかできなかった
そして、それぞれが大団円となる隠し要素企画を用意していて
各作曲者のフレーズを用いて9分近くの長編モンタージュにした空の章「Eternal Sky」の制作に明け暮れていた世紀末
オンラインといっても、まだアナログ回線で最大56Kbpsでしか世界とつながらないので
夕方、閉じたばかりのThinkPadを片手に電車に飛び乗り
青春18きっぷで夜な夜なあちこち国内を移動しながら64KbpsのPHSでネットにログイン

あれから25年。いまは20Gbpsの世界にいる。ここまで生き残る地図は当時持ちあわせてなかったけど
「あそびにいこうよ。」か。Step out, play on, adventure out. 確かに僕はあまりあの頃から変わってないかもしれない
昨年の香港に続き、今回のオーストラリアのItineraryだって自作、もちろんレビューもしてもらっている
あとはネットにログインし、Googleマップさえあれば、いつでもどこでも自由になれるはず

2025年12月21日(日)
午前
曇り 13℃
メルボルン国際空港

成田の1時間タクシーのおかげで、結局ほぼ1時間遅れの8:30(GMT+10, Summer Time)、メルボルンに到着。
オーストラリア国籍の隣人のとっても親切なガイドのおかげで
自動撮影機の写真をその辺に立っている審査官に見せることにする
「お、よい写真だね!」って褒めてもらった後に、どうぞ、ともう入国できちゃった
なんか変だけど、ま、いいんだからいっか

朝の南半球最大の都市にある空港に降り立った。あれ?普通に立ててる
お迎えの群衆の視線をかき分けるようにしてレンタカー屋に飛び込む
さてやってきた車は、アウトランダーだ。でっか
しかも走行距離がほぼゼロ
というやつで前半2日間がスタート
もちろんここはビクトリアなので
アメリカみたいに左右逆にならないのがつまんないけどね

2025年12月21日(日)
午後
豪雨 9℃
ポート・キャンベル

メルボルン空港から南西へ。遥か240km先の、小さな港町はキャンベル(Campbell)という地名だ。Great Ocean Rd.という観光道路の最後の区間に近いところにある。星空がきれいなことで有名なところらしい。もちろん、前半の2日間の目的は、南十字星を観測することだ。

キャンベルというのは、たぶん誰かの苗字だ。この名前は、僕にとって初めてではない。

2002年のこと。僕が初めてひとりで訪れた外国は、シリコンバレーの郊外にあるキャンベルという小さな町。僕の作品に目を掛けてくださったイタリア人のボスのオフィスを訪ねて。初めての成田空港も、彼の帰国を見送ったとき。社長に連れられたスカイライナーの中で、まったく新しい商品のコンセプトを彼にプレゼンしたのが最初。国境を超える冒険の、すべてはこの瞬間から始まった。実は今年、彼はイタリアの故郷でご健在という風の便りが届いて安堵した。その話はまた別の機会に。あれから四半世紀の時を経て、地球の裏側でまた同じようなことを、まさか同じ地名を目指すとは。ちょっとしたデジャビュだ。ともかく、地縁があるのだと思った。

2008年に訪問したときには、キャンベルでイタリアレストランを経営。内装は彼の手づくり

アメリカとはまた違う大陸の壮大な景色の中を、僕のへなへなした運転でガタイのいいアウトランダーはどんどん進んでいく。ただ、途中から雨はゲリラ豪雨に変わり、視界不良で減速運転。南十字星がみたくて、ブラックスカイで名高いキャンベルを目指すのに、これはさすがに無理だよね。ということもあろうと思って、実は引きこもれるようなプランも用意していた。宿泊先のゲストハウスは、実はクラフトビール工房なのだ。飲むぞー!

途中で一度違う方向のフリーウェイに乗って引き返したり、途中でマクドナルドに寄って1杯5ドルのコーヒーに驚いたりするロスタイムがあったが、13:30ほぼ旅程通りにキャンベルのゲストハウスに到着。チェックインが14:00からって書いてあったけど、外は大雨で寒いから中に入れてほしいなーと思って、ドラム缶で作られたカウンターのおかみさんに聞いてみると、快諾してくださったので助かった。

ところが、そのおかみさん、僕の名前の頭の「Shi」って発音に苦戦してる。「日本は最近名前をヘボン式にしたって自慢してるくらいのダッサいレベル感なもので、すみません」って話したら「ごめん、日本人に会うのはあたし初めてなのよ。あなたの後ろの音がルーだから、カンガルーでいいわよね」って言ってくれたので「もちろん、僕は今日からカンガルーになるね! カンガルーって呼んでね!」っていうことにして2日間お邪魔することに。

宿泊者を見守る手づくり猫ちゃんのぬいぐるみ

ゲストハウスは建物の2階部分で、部屋とは別に共同の洗面所、シャワー室、トイレのみ。でも男女別なので十分だ。おや? 廊下の角のベランダに出られるガラス扉の前にパッチワークのぬいぐるみの手づくり猫ちゃんが住んでる。素敵なゲストハウスだな、って思った。

普通にその辺にいるワラビーとカモ

雨が若干弱まったので、せっかくなのでキャンベルの小さな港町を散策する。5分もあれば南極を臨む小さな港。地元の猫屋的な小さなスーパーが1件。川沿いのキャンプ場には家族連れのたくさんのテントができてたり、できてなかったり。道沿いには観光地的に開発されたレストランやカフェが2,3箇所ほど。その奥に小さな地元の教会があった。ゲストハウスは教会と同じ敷地の奥なので、もしかしたらベルギーのように教会がクラフトビールを売っているパターンかなと思った。僕の足の周りは、ウサギより若干小さなワラビーたちの群れ。たまにカモも一緒にお散歩。そのとき、ふと、一瞬だけ雨が止んだ。雲の隙間から、港に南極方面の空から光が差し込んだ。そのスナップショットを撮っておいて、と。ともかく静かだ。

奇跡的に光が差し込んだ夕方の港

夕方から遅い昼寝をして夜になったので、下に降りてドラム缶のカウンターをすり抜け、広々としたラウンジに入ると、みんな各々食事やビールを旅の仲間と楽しんでいるところだった。僕も早速クラフトビールのレギュラーと手づくりベジタリアンピザを頼んで、お邪魔させてもらった。レギュラーがめっちゃバランスのいいテイストで、そこに手ごねの生地のピザを頬張ると、まるで実家にいるような気分になっちゃった。

そのとき突然「カンガルー!」って聞き覚えのある声がしたのでドラム缶の方へ行ってみると、なにやらオーナーが登場して、たいそう困られている様子だった。「車、どこへ止めた?」って聞かれたので、ピーンときた。「ちょっと一緒に観てもらってもいい?」って裏の駐車場の止めた場所を正確に指すと、オーナーはとても安堵された様子で「そこなら、全然問題ない」ということで、別の宿泊者の呼び出しへ駆けて行った。これこれ。日本ではよくあるやつ。めんどくさいんだよね、たぶんご近所に言われちゃったんだと思う。地球の反対側も世界はひとつなのね。今日は「パーフェクト」を2回も英語で聞いたが、誠に残念ながら僕は壊れているのだ。

12使徒のコースター(非売品)。これはおかみさんに特別に許可をもらって先生へのプレゼントに

たった2杯くらいでデロデロになったので「僕って弱いけど、コスパいい奴でしょ~!」って言ったのか言わなかったのかよく覚えてないけど、なんかよかった。また昨年の香港みたいに、2時間も取っ組み合いのバカ話して食事が下げられるのは嫌だったし、いや今回はカンガルーだし。1年でそんなにハードル上がっちゃうの。。

ともかく初日はそんな感じで南十字星は見られなかった。寝る前に、実は雨の中港まで行ってみたけど、やっぱさっきのような奇跡は起きなかった。

21226 "2日目 “London version 2”, ポート・キャンベル 1日目"